介護職は離職率が高い仕事といわれています。ただ、実際には平均より高いとはいえ、サービス業や娯楽業の離職率に比べれば低いため、飛び抜けて離職率が高いともいえないのが現状です。では介護職はなぜ離職率が高いといわれるのか、そのリアルな現実について詳しく見ていきましょう。

介護職の離職率は14~16%

介護労働安定センターが平成30年に実施した「介護労働実態調査」によると、介護職の離職率は正規職員で14.6%、非正規職員で16.2%となっています。厚生労働省の「平成 30 年雇用動向調査結果の概況」によると、全産業の離職率は14.6%となっていますので、介護職だけが離職率が高いとは言いきれません。ただ、介護職の特殊な仕事の現状や離職の理由などから見てみると、「介護職は離職率が高い」といわれる現実が浮かび上がってきます。

介護職を辞める理由

介護職を辞める理由としては以下のことが挙げられます。

職場の人間関係

介護職に就いて3年以内の新人が離職する率が7~8割と高いことから、「介護職はすぐ辞める人が多い」というイメージを持つ人も少なくありません。このことには介護職ならではの特殊な人間関係も影響しています。介護職は施設ごとにやり方やルールがあるため、福祉関係の学校で学んできた新人は、学んだことと現実のギャップや、施設内でチームを組んで介護に取り組んでいくことの難しさに挫折してしまうことが多いためです。もちろん学んできた通りにできればそれが理想ですが、介護の現場では利用者の状況も様々なことに加え、限られた時間で対応することが求められます。そのため理想を抱いて介護職に就いたものの、現実についていけなくなる、また改善しようとしても周りの人に同意を得られないといったことも多くあります。またあってはいけないことですが、仕事を早く終わらせるためにいい加減な対応をしたり、流れ作業のように対応をしたりし、それが当たり前になっている現場もあります。そのため悩んでも誰にも相談ができない中、辞めていく人が少なくありません。

勤務形態への不満

介護職は施設にもよりますが24時間交代で勤務をすることが必要な現場もあります。夜勤は人によってはどうしても体がついていかないという人もいますし、きちんと調整ができる人もいます。また勤務時間を調整できる非常勤という働き方を選ぶ人もいます。ただ、人数が少ない現場では少ない人数で夜勤にあたることが求められることもあり、そういった待遇に不満を持って離職する人もいます。

給与など待遇への不満

介護職の給与に不満を持って退職する人もいます。介護職は他の企業とは違い、たくさんの利用者がいれば働いている人の給与も上がるという仕事ではありません。介護報酬という施設ごとに割り振られる報酬が元となるため、残業が多く常に仕事に追われているのに給与が上がらないといった現実に悩む介護職は多くいます。ただし働く施設や職種によっては給与も変わってくるため、よい待遇の職場を選べば働く年数によって給与アップも目指すことが可能です。そのため働いている実績に見合わない職場を離れ、待遇のいい職場へキャリアアップを目指す介護職の人も増えています。

結婚や出産・介護など家庭の事情

介護職の給与の低さや、勤務体系によっては、子育てや介護など自分の家庭の事情で働き続けることが難しいこともあります。介護職は体力も求められるため、年齢が上がると働くのが難しいという現実もあり、退職せざるを得ない人も多くいます。

介護職離職を減らす取り組みも増えている

介護職の待遇や給与などは見直しが行われていますが、実際には人手不足の現状が多く、なかなか改善は難しいのが現状です。ただし介護職として働きやすいよう、短時間での勤務や退職後に復帰しやすい現場を作るといった取り組みも行われています。介護職に就く際には、今後の人生設計も考え、自分にあった働き方ができる職場を探すことも必要です。